転校生 Crossing Point −type←戻る
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 Eighth step



 綿飴食べたら太っちゃうかもしれないし、でも、とうもろこしは今食べたくないし・・・。

 私はお店の前で悩んでいた。

 「あれ?トウジは?」

 びっくぅ・・・。

 「ね、碇君、私、綿飴食べても大丈夫かしら?」

 私は話を逸らそうと碇君に話しかけた。

 「え?」

 「あ、あの、太っちゃうかも・・・。」

 「いいじゃない?食べれば?ねぇ、ケンスケ、トウジ知らない?」

 うー・・・失敗・・・。

 「そういえばいないな?」

 「いつからいないんだろ?」

 あうー・・・まずいよぉ・・・。アスカさん、早く帰って来てよぉ・・・。

 「アイスが良いかしら?ね、碇君。」

 「綾波、トウジを最後に見たのはいつだった?」

 はぅ・・・。

 「えーと、教室で・・・。」

 「さっき一緒にここまで来たじゃないかぁ?」

 ほぇ・・・。

 「あ、そ、そうかぁ・・・。きっと、私はヒカリさんと一緒に来たから判らなかったんだよ。」

 ふぅ・・・。

 「そういえば、いいんちょもいないね?」

 「あ、本当だ。洞木さんもだね。」

 あー・・・薮蛇だよぉ・・・。

 「なんだか心配になって来たな。」

 「トウジは男だから別にはぐれても後で合流すればいいけど、洞木さんは女の子だしね。」

 えーん・・・。

 「あぁ、すっきり!」

 あ、帰って来た・・・手遅れだけど・・・。

 「あーん、アスカさん、ごめんなさい・・・。」

 アスカさんに怒られるよぉ・・・。

 「・・・ん?どうかした?」

 「綾波のせいじゃないよ。ちょっと洞木さんとトウジ、はぐれたみたいなんだ。」

 ぽこっ!

 ”あんたねぇ!うまく話逸らせって言ってあったでしょ!?”

 ”だ、だから、ごめんなさいぃ・・・。”

 「とにかく、僕らは二人を探しに行って来るから、二人ともここで待ってて。」

 「じゃ、シンジ、僕はこっち!」

 二人は今にも駆けだしそう・・・。

 「あの、碇君!

 私は碇君を呼びとめた。

 「何?」

 碇君は焦りの色を隠さない。

 「あの・・・私達も、一応、女の子なんだけど・・・な・・・。」

 「大丈夫!アスカがいる!!

 碇君はそう言い残して後ろも振り返らずに走り出した。

 そ、そうかなぁ・・・?

 「しっつれいしちゃうわねぇ・・・。」

 アスカさんはぎゅっと私の手を握った。

 痛い・・・。

 「ね、あたしだって女の子なんだからさぁ?・・・ってレイ?あんた、一瞬”そうか”って納得したでしょ?」

 ひぇぇ・・・。

 「し、してない・・・。」

 手は痛かったけど・・・。

 「二人が戻ってきたら、何とか理由つけて引き止めなさい。」

 アスカさんは私に耳打ちしてきた。

 「アスカさんは?」

 「アイス買ってくる。」

 ずる・・・。

 「何か文句ある?」

 うー・・・。

 「・・・わ、私の分も・・・。」

 「あ、そ・・・。」

 私がお金を出そうとしていると、アスカさんは“後でいいわ”と言って買い物に行ってしまった。

 一人残される私。

 うーん・・・。心細い・・・。

 あ、碇君!

 おーい。

 私は碇君に手を振った。碇君は小走りに私の隣にやってきた。

 「あれ?綾波、アスカは?」

 碇君は、はぁはぁ、と息を切らせながら私に聞いた。

 「ん・・・ちょ、ちょっと・・・。」

 気が重い・・・。

 「しょうがないなぁ・・・。」

 碇君は私の隣に立ってしばらく雑談・・・。

 息を整えている碇君が気の毒に思えてくる。

 「綾波、洞木さん心配じゃないの?」

 い、痛ぁいところをつくわねぇ・・・。

 「んー・・・。でも、もうすぐ集合時間でしょ?大丈夫じゃないかしら?」

 私は時計を見ながら答えた。

 「・・・綾波って案外冷たいねぇ・・・。」

 ぁぅ・・・。

 あ、あの、じ、実は・・・。

 「あ、アスカ、どこ行ってたんだよっ!」

 白状してしまいそうになった時、アスカさんがアイスを二つ持って戻ってきた。

 「買い物。」

 平然と答えるアスカさんの手に握られているアイスをまじまじと見つめる碇君・・・。

 「心配じゃないの?二人とも?」

 ・・・。

 「もういいよっ!探しに行くからっ!」

 あーん・・・。

 「き、嫌われちゃうぅ・・・。」

 思わず泣き声になってしまった。

 「明日になれば忘れてるわ。馬鹿だから。」

 はいって、アスカさんは私にアイスを渡す。素直に受け取る私もちょっと問題あるのかしら?

 「あ、これ、お金・・・。」

 私はお財布からお金を出してアスカさんに渡した。

 ぺろぺろ・・・。

 「悪かったわ・・・。」

 ?

 どうして?

 「どうしても・・・。」

 それから私達はしばらく何も言わずにアイスを舐めた。

 先に舐め終わったアスカさんが棒をぽいっと投げたので、私はそれを拾って自分の分と一緒にゴミ箱に捨てる。

 「とにかく、次に二人が戻ってきたら、意地でも捕まえるのよ?」

 「は、はい・・・。」

 私は目を凝らして二人の姿を探した。

 あ、いたわ!

 「どこ?」

 「あそこです!」

 たったった、と碇君が戻ってくる。

 反対側から相田君。

 「シンジ、いたか?」

 「いない。どこに行ったんだろう?」

 二人は肩で息をしながらお互いの成果を報告してる。

 「もういいってば!金魚すくいでもするわよ。帰りの時間は決まっているんだし、大丈夫だって。」

 アスカさんはさりげなく二人の肩を捕まえた。

 「そ、そうそう。い、碇君、私、金魚もほ、欲しいな・・・。あは。」

 ・・・アスカさんの視線が痛い。

 私、まるっきり棒読み・・・。

 碇君にまじまじと見られてしまった。

 うぅ・・・疑ってる・・・。

 「そういうことなら、いいか。ケンスケ。さっきみたいな技見せてよ。」

 ・・・ばれてる・・・。えーん・・・。

 開き直ったような碇君が先頭に立って金魚掬いの所に行く。

 「よおし、まずはね、カップをこんな風に持って・・・。」

 相田君がカップを手に持って金魚掬いのコツを説明しようとした時・・・。

 「ああっ!おしぃーい!!」

 ヒカリさんの声だ。

 「待てや、今ちゃんとすくっとったでぇ、わい。納得いかへんわ。」

 鈴原君もいた・・・。

 私達、かえって二人の近くに連れてきてしまったみたい・・・。

 はぁ・・・。

 ため息を一つして、顔をあげると、相田君が素早くカメラのシャッターを押しているのに気がついた。

 「なんだよ、トウジ、どこにいたんだよ。」

 碇君が話しかけた時には相田君はフラッシュ撮影に入っていた。

 「スクープだぞ!これは・・・。」

 もう・・・お願いだから放っておいてあげてよぉ・・・。

 「な、なにすんのや!ケンスケ!

 鈴原君は怒って立ちあがりかけたけど、ヒカリさんがしっかり浴衣を掴んでいたので立てないみたい。

 「止めて、鈴原。相田なんてどうでもいいじゃない。」

 その間にこっちでもアスカさんが相田君を捕まえていた。

 私は首を締められて苦しんでいる相田君からカメラを奪い取って、くるくると回してみる。

 「裏の方よ。横にフィルムのマークがあるでしょ?」

 アスカさんに教えられて、ぽっちを押す。

 かちょん。

 フィルムが出て来た。

 「これは私が預かるから・・・。」

 私は腰につけていた小さな小物袋にいれて、それを絶対取られたり落ちたりしないように胸元にいれた。

 碇君はその一部始終を呆然と見ていた。

 ・・・え?

 見てた?

 ・・・

 「あ・・・。」

 慌てて胸元を合わせる。

 「・・・見た?」

 おそるおそる、聞いてみる。

 「???何も。え?何、綾波・・・。」

 あぁ、良かった。

 「ううん、見てないならいいの。・・・下着、つけてなかったから・・・。」

 危なかったぁ・・・。

 帰ったらお母さんにちゃんと布足してもらおうっと。



<続き>


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