コンビニ:04.ポリッシャー by harumi
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深夜、遅い時間になると、店長はマンションへと帰ってしまう為に私がすべて独りでこなさなくてはならない。掃除などは、レジにいつ人が立つかを気を付けながらだから、とにかく人がいなくなってから掃除を始めなければならない。まぁ、よほどの遅い時間(ほとんど早朝であるが)になれば、人もあまり来なくなるから掃除はすいすい進むのだが。 私の掃除は結構丁寧である。まず箒で大きな埃を取り、ダスタークロス(写真左上)で小さな埃を丁寧に取り、次に雑きんで水拭き、そしてポリッシャーである。ポリッシャーとは床を磨く機械の事で、円盤状のスポンジのような物が高速で回転して床をこすり、ツヤを出すのである。これは電気で動く。両手でつかむ部分がついており、そこに回転部分を駆動するスイッチがついている。 掃除を潤滑に行うには、ある程度慣れが必要である。店に客がいる時は客をよけながら掃除をしなければならないし、レジにも常時注意を払わなければならない。ポリッシャーは電気のコードを引きずりながらなので、コードの長さに合わせて掃除区間を区切りながらの作業である。レジに人が来たら掃除はいったん中止、ポリッシャーもその場に置きっぱなしでレジへといかなければならない。 その時も、ポリッシャーをかけている最中の出来事だった。レジに客が立った為にポリッシャーをその場において会計接客。その時、入り口からどやどやと人がなだれ込んできた。現在午前四時・・ 「うへへへへぇぇぇー、酒はどこだぁ」 「バーカ、ジュースと同じところにあるんだよ」 「俺は酒がほしいんだぁ!」 「あ、そっか・・じゃあどこだっけ・・」 若者の酔っ払い五人の襲来。いきなり訳の分からない会話をしている。我がコンビニでは酒を販売しているため、たまにこういう愉快な客が来るのは仕方がない事である。 「を!俺のまっしーんがこんな所にぃ」 何を思ったか、酔っ払いの一人がポリッシャーにまたがっている。 「へぃへぃー、爆走だぜぇ」 「お客様、それはバイクではありません・・・」 無駄と知りつつ、ほおっておいては何をするかわからない。他の人はダスタークロスや箒の柄の部分にまたがっている。 「お客様、他のお客様のご迷惑になるので・・・・・」 だが、酔っ払い達の暴走は止まらない。馬の耳に念仏。ポリッシャーや箒にまたがって走り回っている酔っ払いの顔は晴れやかだ。他の客もいないし、とりあえず物さえ壊さなければ良い。触らぬ神にたたり無し。 そのうち走り疲れたのか、何も買わずに彼らは去っていった。掃除をやり直す羽目になったのは言うまでもない。 |